静岡県の川勝知事がまたしても失言でついに辞職表明
山梨県民が隣県の知事の去就にこれほどまでに熱い視線を注いだことが、かつてあったでしょうか? いうまでもなく静岡県の川勝平太知事の辞職ですよ。いやー、あまりにも突然の辞職だったので不肖・西口も驚きました。川勝知事はたびたび失言をして世間の批判を浴びる人物としてつとに有名でしたが、最終的に知事の椅子を返上することになった原因もやはり失言でした。名付けて“失言王”といったところでしょうか(笑)。今回はいったいどんな失言をしたかといいますと、川勝知事は4月1日に行われた静岡県庁の入庁式で新規採用職員を前に、「実は県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンク。毎日、毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たち。ですから、それを磨く必要がある」と“訓示”したのであります。この発言が職業差別にあたるとして批判が殺到したのを受けて、同知事は翌2日に辞意を表明したのでした。わが山梨県の長崎幸太郎知事も2022年1月、定例会見で「新型コロナワクチンの2回接種を済ませていない人は外出を自粛してください」と要請したところ、これがワクチン未接種者に対する差別ではないかとの批判が巻き起こり、すぐに「説明が舌足らずだったことをお詫びしたい」と謝罪した一件が思い出されますが、川勝知事がこれまで重ねてきた失言はそんな可愛いものではありません。2021年10月に参院静岡選挙区補選の応援演説で、川勝知事は元静岡県御殿場市長の候補者を念頭に「あちら(御殿場)にはコシヒカリしかない」と誹謗中傷ともとれる発言をしたところ、同年11月の県議会で辞職勧告決議を受け「12月分の給与と冬のボーナスを返上する」と表明。さすがの川勝知事も反省したのかと思いきや、実際にはその後もボーナスを返上していなかったことが発覚すると、「けじめは職責を果たすこと」と一転して返上しない意向を示したのです。“失言→ウソ→開き直り”の三段攻撃ですからね。山梨の長崎知事とは比べものにならないほどのご立派な川勝知事なのであります。これに業を煮やして県議会が2023年6月定例会で知事の不信任決議案を提出し、わずか1票差で否決される事態に発展したのは記憶に新しいところです。その後、川勝知事は会見の場で過去の不適切発言の原因について問われると、「今度、人様に迷惑をかけることがあれば、辞職する」と明言。その“今度”がこのたびやって来たというわけです。

甲府市長は川勝知事の辞職を「歓迎したい」とキッパリ
静岡県の川勝知事といえば、わが山梨県の長崎知事ともたびたび激しいバトルを繰り広げてきたことでも知られています。いうまでもなく長崎知事はリニア中央新幹線の建設を推進しようとしているのに対して、川勝知事は建設反対を唱える立場とあって、その関係はまさに水と油でした。川勝知事は静岡工区の工事着工について「“掘るな”と言っているんじゃないんですね。われわれにとって懸念があるまま工事が進みかねないので、心配しておりますということ」と発言。JR東海は地質や地下水の状況を把握するために、山梨県側でボーリング調査を行っていますが、川勝知事はそれによって静岡県の水が流出する懸念があるとして、県境までの300㍍の区間は掘り進めないように求めたのです。これに対して山梨県の長崎知事は「山梨県で出た水は山梨県の水だ」と強く反論。片や川勝知事は記者会見で「静岡県の水」と主張する明確な根拠について質問されると、「確定されていない」「分からない」「今、私が答えるべき筋のものではない」と曖昧かつ苦しい返答に終始していましたが、それから約1カ月後にさすがに苦しくなったのか、「これからは静岡の水、山梨の水という議論はしない」との考えを表明したのでした。このように口を突いて出る発言が軽々しいことこの上ない川勝知事でしたが、最後は自らの問題発言が引き金となって辞職に追い込まれました。一方、川勝知事の辞職を歓迎しているのが山梨県の関係者です。甲府市の樋口雄一市長は4月9日に開かれた定例会見で、「歓迎したい」と端的に感想を口にしました。山梨県の発展のためにもリニア中央新幹線の整備は大変重要な意味を持つわけですが、川勝知事は辞職を決断した最大の理由を問われると、JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業断念を発表したことを挙げ、「大きな区切りを迎えた。この2~3月で大きく動いた。リニアの問題が大きく動き、ここで仕事が一段落した」と話し、これが自身最大の“功績”であるかのように胸を張りました。いうまでもなく甲府市はリニア建設を推進する立場であることから、こうした川勝知事の発言に対して樋口市長は「辞めると報道されているので私としては歓迎したい。仕えていた副知事が静岡市長になったら正反対な意見になったし、聞くところによると関係市町の首長も考えについていけないようなところもあったということで、(川勝知事の)任期が2025年の7月までなので、それまでかなと思っていた」とし、静岡県がリニア建設推進へとカジを切るのは、そもそも時間の問題だったとの認識を示しました。また樋口市長は私見と断りながらも、川勝知事について「昔からいろいろな物議を醸す発言をしていた人。大学教授あるいは政治家、つまり言葉を大事にしなければいけない人が、時に一方を高め、一方を貶めるような発言をして非常に残念でならない」と苦言を呈するとともに、「発言の内容を見ると“静岡の水を守る”と言っていたが、その水を本当に大事に使っている職業の人を貶めるような発言だったので、静岡県全体を本当に愛していたのかな?と思う」と皮肉をたっぷり込めてバッサリと切り捨てました。“静岡の水”とは無論、リニア中央新幹線の建設をめぐって川勝知事自身が口にしていたキーワードにほかなりません。

リニア中央新幹線が開業すれば山梨県は飛躍的に発展する
一方、山梨県の長崎知事は川勝知事の辞職表明の一報を受けて“大人の対応”に終始しました。長崎知事は定例会見で「(川勝知事)本人が熟考して決めたことなので尊重する」と話すとともに、「リニア(中央新幹線)に関してはいろいろな関係もあるが、トータルでは静岡県と山梨県は緊密に連携を取りながら物事を進めてきた。大変感謝している」と述べました。また懸案となっている静岡工区未着工については、「本質的に静岡県の皆さんの自然環境に対する影響への懸念が払拭しきれていないため」との見解を示し、リニア建設に対して難色を示している関係者に対しても一定の配慮をした形です。とはいえリニア開業は山梨県にとって長年の悲願です。リニア中央新幹線は時速500kmという新幹線の約2倍のスピードで最終的には東京と大阪を結びます。所要時間は東京―大阪が約1時間、そして山梨―東京がわずか25分とあって、山梨が飛躍的に発展する起爆剤となるのは間違いありません。リニア中央新幹線が開業した暁には、山梨も千葉や埼玉、神奈川と同じように東京のベッドタウンになり得ますし、石和温泉をはじめとする山梨県内の温泉地も格段に賑わうことでしょう。となれば宴会コンパニオンのニーズも爆上がりが予想されるわけです。このようにリニア中央新幹線の開業はわれわれ山梨県民に大きな恩恵をもたらしてくれます。こうした意味においても、静岡の川勝知事の辞職は山梨県民にとって大きな朗報というべきです。というわけで、今晩あたり祝杯を挙げましょうか? もちろん宴会コンパニオン付きで…。

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